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試合で集中力が続かない子供へ|連戦を1日通して戦うメンタル術

2026/07/03 | メンタル・本番力

連戦で集中する小学生アスリート

連戦で集中力が続かないのは、気合い不足のせいではありません。集中は「試合と試合の間のリセット」で取り戻せます。子供の脳と体は、1日に何度も全力を出し続けるようにはできていないからです。

この記事では、連戦で集中が切れる原因と、親が現地でできる休息・補給・声かけを、OK例/NG例つきで具体的に解説します。まず要点だけ先にまとめます。

この記事の要点

  • 集中は「切らさない」より「切れたら戻す」で考える
  • 試合間は〈休む→補給→切り替え〉の順で整える
  • 暑さと疲労は集中力を確実に奪う。水分と日陰が最優先
  • 親のNGは「もっと集中しろ」。OKは「一回スイッチ切ろう」

結論:集中は「試合間のリセット」で取り戻す

1日に何試合もこなす夏のトーナメント。後半になるほど、子供の集中は切れやすくなります。これは誰にでも起こる自然なことです。

大事なのは、集中を「ずっと保たせる」ことではありません。切れたら短時間で戻すという発想です。トップ選手でも、試合の全ての瞬間で最高の集中を保ってはいません。ここぞの場面に向けて、意識的に力を抜いています。

だから親がすべきことも「集中しろ」と圧をかけることではなく、試合と試合の間に、心と体を整える手伝いをすることです。ここを押さえるだけで、子供の1日は大きく変わります。

◎ OK声かけ

「1試合終わったね。次まで時間あるから、一回スイッチ切っていいよ。」

× NG声かけ

「次も集中!気を抜くな!ずっと全力でいけ!」

連戦で集中が切れる3つの原因(疲労・暑さ・気の緩み)

集中が続かない子を責める前に、原因を分けて考えます。原因が違えば、打つ手も変わるからです。

原因1:体の疲労とエネルギー切れ

試合を重ねると、体だけでなく脳も疲れます。脳が疲れると、判断が遅れ、ミスが増えます。特に昼をまたぐ連戦では、エネルギー(糖質)が不足し、頭がぼんやりしやすくなります。

原因2:暑さによる消耗

夏の大会で見落とされがちなのが暑さです。環境省「熱中症予防情報サイト」や日本スポーツ協会の指針によると、暑い環境ではのどが渇く前からこまめな水分補給が必要です。日本スポーツ協会の熱中症予防ガイドラインでは、WBGT(暑さ指数)が31℃以上で運動は原則中止とされています。集中力の低下は、熱中症の初期サインでもあります。

原因3:気の緩みと『燃え尽き』

大きな山場の試合が終わった直後は、緊張の糸が切れやすい時間です。「勝ったから」「もう疲れたから」と気が緩み、次の試合に入れないことがあります。これは根性の問題ではなく、心の自然な反応です。

試合と試合の間の過ごし方(休む→補給→切り替え)

集中を戻すカギは、試合間の時間の使い方です。順番が大切です。①休む → ②補給する → ③切り替えるの流れで整えます。

試合の合間に休息する子供
試合間タイムライン

①休む(最初の5〜10分)
まず日陰やテントで座る。しゃべりすぎず、体を冷やす。反省会はまだしない。

②補給する(15分以内)
水分+塩分を先に。おにぎり・バナナなど消化の良い糖質で、次に向けたエネルギーを入れる。

③切り替える(試合15分前)
軽く体を動かし、次の相手を1つだけ確認。「よし、いこう」で気持ちのスイッチを入れる。

ポイントは、疲れている最初の時間に反省をぶつけないことです。前の試合の話は、体が回復してからにします。休む前に反省から入ると、集中はかえって戻りません。

◎ OK声かけ

「まず日陰で座って水飲もう。作戦の話は落ち着いてからでいいよ。」

× NG声かけ

「さっきのプレー、なんであそこでパス出したの?次は気をつけて!」

補食の具体例は、あわせて読みたいの記事でも紹介しています。暑さ対策とセットで準備しておくと安心です。

切れた集中を1分で戻すミニルーティン

試合中に集中が切れることもあります。そんな時のために、短いリセット動作を子供と決めておきます。決まった動作は、気持ちを「いつも通り」に戻すスイッチになります。

1分リセットの例

  • 大きく息を吐く(4秒吸って、6秒吐く)
  • 手をグーパー、肩を1回まわす
  • 「大丈夫、次の1本」と小さく声に出す
  • 目線を一度、遠く(ゴールや空)に移す

この動作は、普段の練習で決めておくのがコツです。本番だけ急にやろうとしても、うまく効きません。親は「今日のリセット、何にする?」と一緒に決めるだけで十分です。

◎ OK声かけ

「集中切れたら、いつもの深呼吸で戻せばいいよ。決めた動きやってみな。」

× NG声かけ

「集中しろって言ってるだろ!ちゃんと見てないからだぞ!」

親の現地サポート|OK/NG声かけと環境づくり

親の役割は、技術の指導ではありません。子供が回復し、切り替えられる環境を整えることです。声かけと準備の両面から支えます。

環境づくり:日陰・水分・静かな時間

まずは物理的な準備です。日陰の確保、冷たい飲み物、塩分、着替え。これだけで消耗はかなり防げます。試合間に子供を質問攻めにせず、静かに休める時間を作ることも立派なサポートです。

声かけ:責めずに、整える

公益財団法人スポーツ安全協会の記事で、国立精神・神経医療研究センターの小塩靖崇氏は、心の状態が良くない時に叱咤激励するより、まず話を「まっすぐに聴く」ことの効果が大きいと述べています。子供は、聴いてもらえると安心し、また前を向けます。

◎ OK声かけ

「疲れてきたね。よく戦ってるよ。次は楽しんでいこう。」

× NG声かけ

「その顔なに?やる気ないなら帰るよ。しっかりしなさい。」

◎ OK声かけ

「水分とった?暑いから無理しすぎないでね。しんどかったら教えて。」

× NG声かけ

「みんな頑張ってるのに、あなただけダラダラして。集中が足りない。」

睡眠と休養も『連戦の集中力』を左右する

当日だけでなく、前日からの休養も効いてきます。前出の小塩氏によると、メンタルの土台は食事・睡眠・運動で、中でも睡眠が重要です。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、中高生には8〜10時間の睡眠が推奨されています。連戦が続く時期こそ、早めの就寝を家族で意識したいところです。

今日からできる3つの行動

①「試合間タイムライン」を子供と共有する
休む→補給→切り替えの順番を、前日に一緒に確認しておく。

②1分リセットの動作を1つ決める
深呼吸でも合言葉でもOK。練習から使ってなじませる。

③試合直後の第一声を「ねぎらい」にする
反省より先に「よく戦ったね」。集中は安心から戻る。

あわせて読みたい

連戦で集中力が続かないのは、うちの子だけですか?

いいえ、多くの子に起こる自然なことです。子供の脳と体は、1日に何度も全力を出し続けるようにはできていません。トップ選手も試合中は意識的に力を抜き、ここぞの場面に集中を合わせています。「切らさない」より「切れたら戻す」と考えてあげてください。

試合と試合の間、親は何をすればいいですか?

〈休む→補給→切り替え〉の順でサポートします。まず日陰で座らせ、水分と塩分、消化の良い糖質を補給。反省会は体が回復してからにします。最初の疲れている時間に指摘をぶつけると、集中はかえって戻りにくくなります。

試合中に集中が切れたら、どう戻せばいいですか?

短いリセット動作を事前に決めておくと効果的です。例えば「4秒吸って6秒吐く深呼吸」「肩を1回まわす」「大丈夫、次の1本と小さく声に出す」など。決まった動作は気持ちを『いつも通り』に戻すスイッチになります。普段の練習からなじませておきましょう。

暑さは集中力に関係ありますか?

大いに関係します。集中力の低下は熱中症の初期サインでもあります。環境省や日本スポーツ協会の指針では、のどが渇く前からこまめな水分・塩分補給が推奨され、WBGT31℃以上では運動は原則中止とされています。日陰の確保と早めの給水を最優先にしてください。

『集中しろ』と言うのはダメですか?

逆効果になりやすい声かけです。プレッシャーで体が固まり、かえって集中が乱れます。おすすめは、責めずに整える言葉。「一回スイッチ切っていいよ」「よく戦ってるね」など、安心と休息を促す声かけのほうが、次の試合に向けて集中が戻りやすくなります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・専門的指導の代わりになるものではありません。お子さんの心身に気になる様子がある場合は、専門家にご相談ください。