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試合前のルーティンの作り方|緊張を抑える「いつも通り」の習慣

2026/07/03 | メンタル・本番力

「練習ではあんなに動けるのに、試合になると緊張でガチガチ」。そんなわが子に、家庭で用意できる助けが「ルーティン」です。

ルーティンとは、試合前に必ず行う決まった動作や言葉のこと。「いつも通り」の手順をなぞることで気持ちが落ち着き、練習してきた力を出しやすくなります。

この記事では、わが子に合ったルーティンの作り方を「呼吸・動作・言葉」の3つに分けて具体的に解説します。親の声かけもOK例/NG例つきで紹介するので、今日から一緒に作れます。

試合前に集中する子供たち

結論:ルーティンは「いつも通り」を呼び戻すスイッチ

ルーティンは、緊張した本番でも「いつもの自分」に戻すためのスイッチです。魔法ではありません。決まった手順を踏むことで、心が落ち着き、練習の力が出やすくなる——それがねらいです。

有名なのが、ラグビーの五郎丸歩選手がキック前に見せた独特のポーズ。野球のイチロー選手が打席で毎回同じ構えをしたのも同じです。一流選手ほど「決まった手順」を大切にしています。

サッカー元日本代表の中村憲剛さんは、試合で「ピッチに入るときは左足から」と決めていたそうです。中村さんはこれを「お守りのようなもの」と表現しています(サカイク「KENGOアカデミー」より)。左足から入ると気持ちが落ち着き、良いプレーができる気がしてくる、と語っています。

大切なのは、ルーティンは「勝つための呪文」ではなく、積み上げた力をいつも通り出すための習慣だということ。ここを親子で共有しておくと、結果に振り回されずに続けられます。

なぜルーティンで緊張が抑えられるのか

緊張は、意識が「結果」や「失敗したらどうしよう」に向いたときに強くなります。頭の中が不安でいっぱいになると、体もこわばってしまいます。

ここでルーティンが役立ちます。スポーツ心理学の知見によると、決まった手順(プレ・パフォーマンス・ルーティン)に意識を向けると、注意が「今やるべき動作」に戻り、不安から離れやすくなります。意識がルーティンに向かうぶん、緊張に向かう余地が減るのです。

また、ルーティンのある選手は、ない選手に比べて安定して力を発揮しやすいことも指摘されています。毎回同じ手順を踏むことで、呼吸や心拍が普段どおりに保たれやすくなるためです。

子供にとっての一番の効果は「これをやれば大丈夫」という安心感。この小さな自信が、本番の一歩を軽くします。

わが子のルーティンを一緒に作る3ステップ

ルーティンは、親が押し付けるものではありません。子供自身が「これならできる」と思えることが続けるコツ。次の3ステップで一緒に作りましょう。

ステップ1:調子が良かった試合を思い出す

まずは成功体験を探します。「いつもより動けた試合、覚えてる?あの日、試合の前に何してた?」と聞いてみましょう。うまくいった日の行動には、その子に合ったヒントが隠れています。

ステップ2:自然にやっていた動作や言葉を1つ選ぶ

思い出した行動の中から、ムリなくできるものを1つ選びます。「深呼吸」「シューズの紐を結び直す」「小さくジャンプ」など、シンプルなほど本番で使えます。最初から欲張らないのがポイントです。

ステップ3:練習で毎回くり返して習慣にする

決めたら、普段の練習から必ず行います。ルーティンは習慣になって初めて効きます。練習で体になじませておけば、緊張する本番でも自然に手が動きます。

呼吸・動作・言葉|年代別の作り方の例

ルーティンは「呼吸」「動作」「言葉(キーワード)」の3つを組み合わせて作ると、迷わず決められます。それぞれの具体例を挙げます。

① 呼吸:深呼吸で心拍を整える

基本は深呼吸を3回。「4秒吸って、6秒かけて吐く」と、吐く時間を長くすると気持ちが落ち着きやすくなります。息を吐くことに集中させてあげましょう。

② 動作:シンプルで一定の動き

胸に手を当てる/手をグーパー/シューズの紐を結び直す/ボールを2回つくなど。毎回まったく同じ動きにするのがコツです。「五郎丸ポーズ」のように、その子だけの動きで構いません。

③ 言葉:短いキーワードを決める

心の中で唱える合言葉を1つ。「大丈夫」「いつも通り」「楽しむ」など、短くて前向きな言葉が向いています。長い文章にすると本番で思い出せません。

年代別の目安

年代おすすめの組み合わせ
低学年(1〜2年)動作を1つだけ(例:手をグーパー)。まずは「同じことをする」に慣れる
中学年(3〜4年)呼吸+言葉(例:深呼吸3回→「大丈夫」)
高学年(5〜6年)呼吸+動作+言葉のセット(例:深呼吸→紐を結ぶ→「いつも通り」)

そのまま使える「ルーティン作成シート」

下の3つの空欄を、お子さんと一緒に埋めるだけ。冷蔵庫に貼っておくと、本番前の合言葉になります。

項目わが子のルーティン
呼吸(例:深呼吸を3回)_____
動作(例:シューズの紐を結び直す)_____
キーワード(例:いつも通り)_____

親の関わり|OK/NG声かけと続けるコツ

ルーティンを支えるのは、日々の親の声かけです。よくある場面ごとに、OK例とNG例を挙げます。

場面1:ルーティンを作るとき

◎ OK例:「調子が良かった日、試合前に何してたっけ?一緒に決めよう」

✕ NG例:「これとこれとこれをやりなさい」と親が全部決めてしまう

複雑な手順を押し付けると、それ自体がプレッシャーになります。主役は子供。親は聞き役に回りましょう。

場面2:本番の直前

◎ OK例:「試合前、いつもの深呼吸やってみよう」

✕ NG例:「緊張してる?大丈夫?ちゃんとできる?」と何度も確認する

直前に不安をあおる言葉は逆効果。いつもの合図を静かに1つ渡すだけで十分です。

場面3:うまくいかなかった日

◎ OK例:「ルーティンやれてたね。続けていこう」と過程を認める

✕ NG例:「ルーティンやったのに負けたじゃないか」と結果と結びつける

ルーティンと勝敗を結びつけると、続かなくなります。「やれたこと」自体をほめるのがコツです。

続けるコツ3つ

  • 練習から行う(本番だけ特別にしない)
  • 結果と切り離す(勝った負けたで評価しない)
  • シンプルに保つ(増やしすぎず、1〜3個まで)

今日からできる3つの行動

  1. 今夜、「調子が良かった試合、前に何してた?」と1つ質問してみる
  2. 「呼吸・動作・キーワード」から、まず1つだけ一緒に決める
  3. 次の練習から、その1つを毎回くり返す

大きく変える必要はありません。小さな「いつも通り」を1つ用意するだけで、本番の緊張はぐっと扱いやすくなります。

よくある質問

ルーティンは何歳から始められますか?

低学年からでも始められます。ただし年齢が低いほどシンプルに。まずは「手をグーパーする」など動作を1つだけにし、慣れてきたら呼吸や言葉を足していくと続けやすくなります。

ルーティンをやっても緊張します。効果がないのでは?

緊張がゼロにならなくても問題ありません。ルーティンの目的は緊張を消すことではなく、意識を「今やる動作」に戻して落ち着かせることです。まずは練習でくり返し、本番でも自然に出せるようになるまで続けてみてください。

どんな動作を選べばいいですか?

調子が良かった試合で自然にやっていた動作がおすすめです。特になければ「深呼吸」「シューズの紐を結び直す」など、いつでもどこでもできるシンプルな動きから始めましょう。派手さは不要です。

親が決めてあげてもいいですか?

きっかけを提案するのはOKですが、最終的に選ぶのは子供本人が理想です。「これならできそう」と本人が思えるかどうかが、続くかどうかを分けます。親は選択肢を出す聞き役に回りましょう。

本番でルーティンを忘れてしまいます。どうすれば?

多くの場合、練習での回数が足りていません。普段の練習の入りや、プレー前に毎回組み込んで「体が勝手に動く」状態を目指しましょう。冷蔵庫に作成シートを貼って毎日目にするのも効果的です。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・専門的指導の代わりになるものではありません。お子さんの心身に気になる様子がある場合は、専門家にご相談ください。