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スポーツする子のゲーム・スマホとの付き合い方|切り替える力を育てる親の関わり方

2026/07/05 | やる気・主体性

結論から言うと、ゲームやスマホは「禁止」ではなく「自分で切り替える力」を育てる方向で関わるのが正解です。頭ごなしに取り上げると反発を生み、かえって隠れてやるようになります。この記事では、切り替え上手な子を育てる声かけとルールづくりを、OK/NG例つきで解説します。

「練習で疲れているのに、夜遅くまでゲーム」「声をかけても、なかなかコントローラーを置かない」。全国大会を目指してがんばる子ほど、限られた時間の使い方が結果を左右します。だからこそ、親としてはつい「いい加減にしなさい」と言いたくなりますよね。

でも、大切なのはゲームを「やるかやらないか」ではなく「どう切り替えるか」です。切り替える力は、これから先の練習・勉強・生活すべてに効いてくる、一生ものの力になります。順番に見ていきましょう。

結論:『禁止』より『自分で切り替える力』を育てる

ゲームやスマホは、頑張った後の息抜きになります。仲間とのつながりの場にもなります。一方で、時間や睡眠を削れば、練習の質もパフォーマンスも落ちます。つまり「悪いもの」ではなく「使い方しだい」なのです。

親のゴールは「取り上げること」ではありません。子どもが自分で「そろそろやめよう」と決めて動けるようになることです。試合の切り替え、ミスの切り替えと同じで、オンとオフを自分で切り替える練習だと考えると、関わり方が見えてきます。

  • 目指すのは「親が止める」ではなく「自分で止められる」
  • ゲームは敵ではなく、切り替えを学ぶ練習台
  • ルールは「守らせる」ものではなく「一緒に決める」もの

ゲーム・スマホがパフォーマンスと睡眠に与える影響

切り替えが大事な理由は、体力と睡眠のデータにはっきり出ています。まず知っておきたい2つの調査を紹介します。

スポーツ庁「令和3年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、テレビ・スマホ・ゲーム機などの学習以外のスクリーンタイムが2時間以上の割合が増加しており、とくに男子で長時間化が目立ちます。そしてスクリーンタイムが長くなるほど、体力合計点は低下する傾向がみられました。画面の時間が長い子ほど、体力の面で不利になりやすいということです。

睡眠への影響も見逃せません。文部科学省が約2万3千人を対象に行った「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査」によると、テレビやスマートフォンをよく見ている子どもほど就寝時間が遅く、朝、布団から出るのがつらいという傾向が示されています。夜のゲーム・スマホは、寝る時間を後ろにずらしやすいのです。

睡眠は、練習で使った体と心を回復させる時間です。ここが削られると、翌日の集中力や動きの質に直結します。「夜のスクリーンをどう切り上げるか」は、そのまま「明日のパフォーマンスをどう守るか」だと考えましょう。

しっかり睡眠をとってコンディションを整える子供
夜のスクリーンを切り上げられると、睡眠と翌日の動きが変わる

頭ごなしの禁止が逆効果になる理由

「もう禁止!」と取り上げれば、その場は静かになります。でも、根本の解決にはなりません。理由は3つあります。

①反発と隠れ使用を生む。一方的に禁止されると、子どもは「自分の楽しみを奪われた」と感じます。納得していないルールは長続きせず、親の見ていないところで隠れてやるようになりがちです。

②「自分で決める力」が育たない。親がすべて管理すると、子どもは「言われたからやめる/怒られるからやめる」だけになります。これでは、親がいない合宿や遠征先で自分をコントロールできません。

③親子関係がすり減る。毎日「やめなさい」「あと5分」の攻防が続くと、家庭がバトルの場になります。スポーツの相談ができる関係こそ、この時期の子どもには大切です。ゲームの一件で信頼を削るのはもったいないことです。

子育て情報サイトのベネッセ教育情報サイトでも、ルールは親が一方的に決めるより子ども自身が決めたほうが守れる確率が上がると解説されています。禁止ではなく、一緒にルールをつくる方向へ切り替えましょう。

親子で決めるルールづくりの手順

守れるルールには、つくり方のコツがあります。次の4ステップで、親子で「わが家のスクリーンルール」を決めてみましょう。

ステップ1:親の希望は「理由つき」で先に伝える。「目を守りたいから」「明日の練習で力を出してほしいから」など、命令ではなく理由を添えた希望として伝えます。「◯時に寝てほしい。理由は、寝不足だと体が動かないからだよ」といった形です。

ステップ2:時間と「終わり方」を子どもに決めさせる。「何時までやったら切り替える?」と問いかけ、子ども自身に決めてもらいます。ポイントは、終わる時刻だけでなく「キリのいい終わり方」も一緒に決めること。「あと1試合で終わり」「セーブしたら終わり」と、やめる目印を具体化します。

ステップ3:場所と夜のルールを決める。場所のルールは守りやすいので、ここは家庭で決めてかまいません。「ゲームはリビングで」「寝る◯分前からはスマホを親に預ける」など、寝室に画面を持ち込まない工夫が睡眠を守ります。充電器をリビングに置くのも有効です。

ステップ4:守れなかったときの対応も一緒に決める。「捨てる」「一生禁止」のような非現実的なペナルティは、結局実行できず逆効果です。「オーバーした分、翌日は短くする」など、現実的で必ず実行できる内容にします。そして、守れているときは口出しせず、その姿を認めることが何より大事です。

一度決めて終わりにせず、「このルールで無理はない?」と定期的に見直しましょう。守れない日が続くなら、それはルールに無理がある合図です。

OK/NG声かけ|切り替えを応援する関わり

同じ「やめてほしい」でも、言い方で子どもの受け取り方は正反対になります。切り替えを応援する声かけと、やる気や自尊心を削るNG声かけをセットで見ていきましょう。

【ルールを決めるとき】
◯OK例:「何時までやったら切り替える?自分で決めよう」
✕NG例:「今日から1日30分。ママが決めたから」

自分で決めた約束は守ろうとします。一方的に押しつけられたルールは、反発の材料になります。

【やめる時間が近づいたとき】
◯OK例:「あと10分でおしまいの時間だね。キリのいいところ探しておいて」
✕NG例:「まだやってるの!? いい加減にしなさい!」

予告があると、子どもは心の準備ができます。突然の「やめろ」は、ゲームの途中で切られる不快感だけが残ります。

【自分で切り替えられたとき】
◯OK例:「自分で時間どおりにやめられたね。切り替え上手だ」
✕NG例:(やめて当たり前という顔で)無反応

できた瞬間を具体的に認めると、「切り替えられる自分」という自信が育ちます。スポーツの切り替えにもつながる大事な一言です。

【つい言いがちなNGと言い換え】
✕NG例:「ゲームばっかりだから下手なんだ」
◯OK例:「早く寝て、明日の練習でスッキリ動けるようにしよう」

「ゲームのせいで下手」と結びつける言葉は、子どもの人格や努力まで否定して聞こえます。責めるのではなく、「明日どうなりたいか」に目を向ける声かけへ切り替えましょう。

今日からできる3つの行動

  1. 「何時までやったら切り替える?」と今夜たずねてみる。親が決めず、子どもに決めてもらう最初の一歩です。
  2. 寝る30分前は画面オフ、スマホはリビングで充電と決める。睡眠を守る、いちばん効果の高いルールです。
  3. 自分でやめられた日は「切り替え上手だね」と声に出して認める。できたことに注目すると、切り替えは習慣になります。

あわせて読みたい

ゲームやスマホは全部禁止にしたほうがいいですか?

全面禁止はおすすめしません。頭ごなしに取り上げると反発や隠れ使用につながりやすく、自分で切り替える力も育ちません。禁止ではなく、時間・場所・終わり方を親子で決め、少しずつ自分でコントロールできるように関わりましょう。

夜のゲーム・スマホは睡眠にどのくらい影響しますか?

文部科学省の約2万3千人規模の調査では、テレビやスマートフォンをよく見ている子どもほど就寝時間が遅く、朝起きるのがつらい傾向が示されています。睡眠は練習後の回復と翌日の集中力に直結するため、寝る前のスクリーンを切り上げる習慣づくりが大切です。

約束した時間を守れず、だらだら続けてしまいます。どうすれば?

まずルールに無理がないか見直しましょう。守れない状態が続くのは、ルールが厳しすぎるサインのこともあります。終わる時刻だけでなく「あと1試合」「セーブしたら終わり」など、キリのいい終わり方を一緒に決めると切り替えやすくなります。やめる10分前の予告も効果的です。

時間をオーバーしたとき、どんなペナルティが有効ですか?

「捨てる」「一生禁止」のような非現実的な罰は、結局実行できず逆効果です。「オーバーした分、翌日は短くする」など、現実的で必ず実行できる内容にしましょう。ペナルティは子どもと一緒に決め、守れているときは口出しせず認めることがポイントです。

ゲームばかりで運動しないと体力に影響しますか?

スポーツ庁の令和3年度の全国調査では、学習以外のスクリーンタイムが長くなるほど体力合計点が低下する傾向がみられました。ゲームそのものが悪いわけではありませんが、時間が長すぎると運動や睡眠を圧迫します。切り替えのルールを決め、動く時間と休む時間のバランスを整えましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・専門的指導の代わりになるものではありません。お子さんの心身に気になる様子がある場合は、専門家にご相談ください。