バレーボールを頑張る子供への親のサポートで大切なのは、①ミスを責めず「切り替え」をほめる声かけ ②家庭での体づくりと自主練の環境 ③応援マナーの3つです。理由はシンプルで、バレーボールは「ミスがそのまま相手の得点になる」競技だから。ミスへの向き合い方を家庭で支えられるかどうかが、上達の分かれ道になります。
この記事では、市大会・県大会レベルで頑張る小学生バレーボーラー(ソフトバレー・ジュニアバレー含む)の親御さん向けに、競技特性を踏まえた声かけ・サポート・応援の心得をまとめました。
バレーボールという競技の特性と子どもの心理
バレーボールには、他の競技にはない特性があります。親が声かけを考える前に、まずこの3つを押さえてください。
- ミスが1点に直結する:サーブミスもレシーブミスも、その瞬間に相手の得点になる
- ミスが全員に見える:ボールに触った子が誰か、コートの外からも一目で分かる
- ローテーションで逃げ場がない:サーブもレシーブも、順番が来れば必ず自分に回ってくる
サッカーなら1回のパスミスは仲間がカバーできます。野球なら守備位置によって打球が来ないこともあります。しかしバレーボールは、ミスした瞬間に笛が鳴り、スコアが動き、全員の視線が集まる競技です。
だから子どもは「次も自分のところに来たらどうしよう」と考えやすい。1本のサーブミスが2本、3本と連鎖するのは、技術ではなく心理の問題であることがほとんどです。ここを理解せずに「なんでミスするの」と言ってしまうと、子どもはさらに萎縮します。
ミスが連鎖しやすい競技での家庭の声かけ【OK・NG例】
バレーボールの親の声かけで軸にしたいのは「結果ではなく、切り替えと挑戦をほめる」こと。具体的なセリフで見ていきましょう。
サーブミスをした日
NG「サーブくらい入れなさいよ」
OK「2本目、フォームは崩れてなかったよ。攻めたサーブだったね」
サーブは唯一、誰にも邪魔されないプレー。だからこそミスすると自分を責めやすい。入れにいって弱いサーブになるより、攻めた結果のミスを認める方が伸びます。
レシーブが乱れて失点が続いた日
NG「あなたのところばっかり狙われてたね」
OK「最後まで逃げずに構えてたね。ボールに向かい続けたのが良かったよ」
狙われている事実を親が強調すると、コートに立つのが怖くなります。「構え続けたこと」を事実としてほめてください。
ミスのあと下を向いていた日
NG「ミスしたあと下向いてたでしょ。ああいうのが一番ダメ」
OK「ミスのあと、3秒で顔が上がってたね。切り替えが早くなった」
「下を向くな」は姿勢の否定。「顔が上がっていた瞬間」を見つけて伝えると、切り替え行動そのものが習慣になります。
試合に負けた日
NG「あの1本が入ってれば勝てたのにね」
OK「最後まで声が出てたね。今日いちばん良かったプレー、どれだと思う?」
「あの1本」を親が蒸し返すと、子どもは一生その1本を背負います。良かったプレーを子ども自身に言語化させるのがポイントです。
帰りの車の中でつい反省会を始めたくなりますが、試合直後は感情の整理が追いついていません。まずは「おつかれさま」と一言、が鉄則です。
ポジション・役割別の関わりヒント
同じチームでも、役割によって子どもが抱えるプレッシャーは違います。わが子の役割に合わせて、ほめるポイントを変えてみてください。
セッター(トスを上げる子)
セッターは「2本目を必ず触る」役割で、判断の連続です。トスが決まればアタッカーの手柄、乱れればセッターのせいに見えやすい損な立場でもあります。「あの場面で誰に上げるか、よく見て選んでたね」と判断そのものをほめてください。
アタッカー・エース
決定率や得点数だけを話題にすると、ブロックされるのが怖くなり、打たずにつなぐ選択が増えます。「何本決めた?」ではなく「何本思い切って打てた?」と、挑戦の回数を聞くようにしましょう。
レシーバー・リベロ・控えの子
レシーブやつなぎは得点にならないため、頑張りが数字に残りません。「あなたが1本目を上げたから攻撃が始まるんだよ」と、見えにくい貢献を言葉にして可視化するのが親の仕事です。ベンチスタートの日も「準備の姿勢」「応援の声」など、必ずほめる材料を見つけてください。
家でできる練習サポート(自主練・体づくり)
自主練は「短く・毎日・測れる形」で
- 直上パス:オーバーハンドで真上に連続何回できるか。昨日の記録と比べる
- 壁パス:壁に向かってアンダーハンド。面を作る感覚が身につく
- 柔軟・体幹:お風呂上がりに5分。ジャンプ動作の多いバレーはケガ予防が最優先
ポイントは10〜15分で切り上げること。親が付き合うなら「回数を数える係」に徹し、フォームの指導はコーチに任せましょう。
やりすぎのブレーキ役は親にしかできない
スポーツ庁の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」によると、ジュニア期の活動は平日は長くとも2時間程度、週2日以上の休養日が目安とされています。また、日本バレーボール協会(JVA)の指導ガイドラインでも、勝利至上主義による過度な練習を避け、長くバレーボールを楽しめる育成が重視されています。
バレーボールはジャンプと着地を繰り返す競技で、膝や腰に負担がかかりやすい種目です。「膝が痛い」と言い出したら練習量を見直すサイン。成長期の痛みを我慢させないことが、結果的に上達への近道です。
食事と睡眠が「高さ」を支える
ジャンプ力の土台は筋力と成長。練習後の補食(おにぎり・牛乳など)と、小学生なら9〜11時間の睡眠を目安に、生活リズムを整えてあげてください。
試合・応援での親のマナーと声かけ
バレーボールの会場は狭く、観客席とコートが近いのが特徴です。親の声は、想像以上に子どもに届いています。
- ミスの直後に名前を呼ばない:「〇〇、ドンマイ!」も本人には追い打ちに聞こえることがある。拍手で十分
- ベンチの指示と混線させない:技術的な指示(「上げて!」「打て!」)は監督・コーチの領域
- 審判のジャッジに声を出さない:判定への不満は、子どもに「言い訳の習慣」を教えてしまう
- 相手チームのミスを喜ばない:子どもは親の観戦態度をよく見ている
応援で迷ったら「拍手と笑顔だけ」と決めておくのがおすすめです。それだけで子どもは「見てもらえている」と感じられます。
チーム・保護者当番との付き合い方
小学生バレー(ジュニアバレー・スポ少)は、体育館の確保や審判補助など、保護者の協力で成り立っているチームが多いのが実情です。長く続けるためのコツは3つあります。
- できる範囲を最初に伝える:仕事や下の子の事情は、入団時に率直に共有した方がお互い楽
- 他の子と比べる会話に乗らない:保護者席での「どの子が上手い」話は、必ず子どもに伝わる
- 指導への口出しと、安全への意見を区別する:起用や戦術はコーチに委ね、ケガや体調に関わることは遠慮なく相談する
今日からできる3つの行動
- 試合後の第一声を「おつかれさま」に固定する:反省会は子どもが話し始めるまで封印
- 「切り替えの速さ」を1つ見つけてほめる:ミスのあと顔が上がった瞬間を見逃さない
- お風呂上がりの柔軟5分を習慣にする:ケガ予防はバレーボールのサポートで最優先
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バレーボールでサーブが怖くなってしまった子には、どう声をかければいいですか?
「入れなさい」ではなく「思い切って打てたか」を基準にしてあげてください。攻めた結果のミスを親が認めると、子どもは再び強いサーブに挑戦できます。家では新聞紙ボールなどで、成功体験を積める遊びから再開するのも効果的です。
ミスをして泣いてしまう子には、その場で何と言うべきですか?
その場では言葉より「そばにいること」が大切です。感情が落ち着いてから「どんな気持ちだった?」と気持ちを言葉にさせ、最後に切り替えられた場面を1つ具体的にほめてください。泣くこと自体を注意する必要はありません。
親がバレーボール未経験でも、サポートできますか?
十分できます。親の役割は技術指導ではなく、生活面の土台づくりと心の回復です。自主練の回数を数える、補食を準備する、試合後に「おつかれさま」と言う。未経験でもできることが、実は上達に一番効きます。
身長が低くても、バレーボールを続けさせて大丈夫でしょうか?
大丈夫です。リベロやセッターなど、高さ以外の武器で活躍できる役割があります。小学生のうちはレシーブやつなぎの技術と判断力を磨くことが財産になります。身長を話題にするより、睡眠と食事で成長を支えてあげてください。
週何回くらいの練習が適切ですか?やりすぎが心配です。
スポーツ庁のガイドラインでは、平日は長くとも2時間程度、週2日以上の休養日が目安とされています。ジャンプの多いバレーボールは膝や腰への負担が大きいため、痛みを訴えたら休ませる勇気を持ってください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・専門的指導の代わりになるものではありません。お子さんの心身に気になる様子がある場合は、専門家にご相談ください。



